いしだ壱成主演「俺の兄貴はブラームス」 公演情報 劇団東京イボンヌ「いしだ壱成主演「俺の兄貴はブラームス」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    standing ovation
     バッハ、ベートーベンと並び称されるドイツの名作曲家ブラームス。シューマンに認められ、一日にしてスターダムにのし上がった彼は、その美貌と才で著名なシューマンの妻、クララに強く心を惹かれる。ところで、偉大な作曲家として知られるブラームスのファーストネームは、ヨハネス。彼には弟が一人居た。(追記後送)

    ネタバレBOX

     弟のファーストネームは、フリッツ。この物語の主人公である。兄弟共に、音楽家を目指していたが、弟はハンブルグで漸くコントラバス奏者の地位を得た三流音楽家の父の血を強く受け継いだためか、作曲の才能は、まるでなかった。一種の欠落傾向を持っていたのである。その傾向とは、それと知らずに盗作してしまうことにあった。一方、ヨハネスの才は、ロマン派的傾向を多分に持ちながら、古典派的に規則内での自由を求める傾向にあった。無論、それでも彼の才は図抜けていたし、それを最初に認めたのが、シューマンだった訳だ。然し、そのヨハネスにも矢張り欠落があった。人情の機微に極端に疎かったのである。その為、友達もおらず音楽しか無かった。逆にフリッツは、この面では非情に優れ、誰からも好かれ、友達も多かった。彼を慕うナターシャも居る。
     兄弟は互いの欠落を埋め会うように、故郷を離れて、同じ町で暮らしていた。舞台が設定されているのは、彼らが毎日通うバールのような店である。この舞台空間の奥にオーケストラが控え、下手にグランドピアノと弾き手が居る。舞台上では、通常の演技と共に、オーケストラ・ピアノの生演奏を背景に声楽家が歌い、バレエダンサーが踊る。何れも非常にレベルの高い面々。これらの要素が見事に演技とコラボレートして観客を楽しませてくれる。因みに東京イボンヌは、演劇とオペラやクラシックコンサートを融合させた新ジャンルを上演する為に、主宰の福島 真也氏が立ち上げた劇団であり、今回が9回目の上演である。

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    2015/06/04 14:40

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