満足度★★★★★
日本のラジオ『カナリヤ』感想
開かれた監獄。
眼科画廊の地下。狭い空間に、味気無い壁。ここは監獄であり、観客である私たちは傍聴席にいる裁判ウォッチャーなのだ。
白の装束を纏った新興宗教団体の面々は、某大事件を起こした彼らを想起させる。しかし、白装束に身を包む彼らは、この空間に於いては至極真っ当な人々として描写され、逆に、カラフルな衣装を纏う、外の(普段私たちが属している)世界からの来訪者は異様な趣きを以って描かれる。作中の言葉を借りるならば、外の世界の住人は魂の次元が低いのである。
ここで、観客は決断を迫られる。すなわち、白装束の彼らの価値観に従って事の成り行きを見つめるのか、或いは色のある私たちの世界の価値観を持ち続けるのか。
以下ネタバレBOXに記入。