転人 公演情報 劇団メイカーズ「転人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    もう少し主張の掘り下げがほしい
    タイトル「転人」は、アメリカなどのモビリティ社会のイメージ…しかし本公演は、単に仕事が長続きせず、転職を繰り返す情けない男(若者)の話。東京芸術劇場ウエストホールという割と広い舞台にも関わらず、そこにセットされたものは、カウンターとスツール、テーブルとソファ-ベットという可動できるものばかりである。その理由は物語の進展とともに明らかになる。
    そして、自分の関心は…

    ネタバレBOX

    どうして転職ばかり繰り返すのか。主人公の性格なのか、勤め先の環境や状況なのか、という舞台を構成する上での設定が説明されないこと。それが曖昧なまま進展するため、転職することが当たり前で、場面転換しても面白味がない。その場面転換=(薄)暗転が多く、それゆえ可動セットになっている理由であった。この公演には大勢のキャストが出演しているから、配置変えは容易にできるだろうが、観客からすると集中力がそがれる。ワンシーン...例えば主人公とアイドルが千紫万紅の中(舞台中央に花のサークルを作る)で会話するだけで場面転換をする。非効率というか非効果的な場面のように思えた。また場の盛り上げのためか、会員制クラブでの快楽(SM)趣向、それに続くベットシーンなどは、主人公の性癖(本心を曝け出すという伏線か)を表したいのか。いくつかそのような演出が観られ、脇道へ、またテンポが緩慢になったのは残念であった。
    序盤から中盤にかけて、間抜け、おっちょこちょいというイメージを持たせたかったようだが、わざとらしく白ける。中盤以降、生きがい(商品開発)が見つかり必死?になる姿へ変貌...少し強引(予定調和)な感じもするが、とりあえずハッピーエンド。
    この公演タイトル「転人」は”職”を転じるのではなく、”人間性=気力”へ転じることを表現したかったのだろうか。

    次回公演に期待しております。

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    2015/04/14 22:44

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