満足度★★★★★
ちょっとビターな味わいの十二夜
ケアードさんの演出だから、きっと今までの「十二夜」とは趣が違うだろうと予想はしていましたが、まさかここまでとは!
この作品、あれこれ、今まで観ているし、高校時代、自分で脚色、演出した作品でもあるので、台詞の暗誦も、未だに可能な程の記憶もあるので、同じ台詞と物語展開でありながら、ここまで、異質な作品に変容できるケアードさんの才に、改めて敬意を表したい思いがします。
成河さん演じる、道化が主役のような芝居でもありました。もう、10年来のファンですが、彼が、こんなに、聴く者の心を捉える歌唱力を有していることを初めて知りました。
マライアの西牟田さんの素晴らしさも、言わずもがな。
最後のシーンが、成河さんの歌唱で、より色濃く、いつまでも印象に残りました。
東京は、千秋楽になりましたが、これから、公演が行われる地域の方には、是非是非ご覧頂きたい舞台です。
ウ゛ァイオラとセバスチャンの双子の兄妹を、演じる音月さんも、とてもキュートで、素敵でした。元宝ジェンヌにありがちな、あくの強い演技をしないので、大変好感が持てました。