満足度★★★
ダラダラした印象は否めず/約120分
説明書きからも知れる通り、大変な事が相次ぐ劇なのに、総じてダラダラとして平坦な印象。
説明にもある“ワケあり男”と主役の女医がやり合うシーンでさえ、どこか緊迫感を欠いていて、ドラマティックな感じがあまりしない。。。
劇がいまいち締まらない一因として挙げられるのは、劇中人物が誰彼問わず冗舌すぎるということ。
例えば、或る人物と食事をした昔話を女医に向かって語り聞かせる初老の男性患者。
食事相手の人物像は本作にとって重要だが、この患者、それ以外にも、入った店の汚さや料理の味についてまで滔々と語るのである。
店構えや料理の味は話の本線と関係ないっ!!
これはあくまで一例にすぎず、残念ながら本作にはこのような駄弁が随所に見受けられる。
作・演出の今城さんは会話を書くのが好きなのだろうが、駄弁が過ぎると作品が締まりを欠くので、思い切って“削ぎ落とす”という選択をもっとしたほうが良いのではないだろうか?
まぁ、駄弁も笑いを生みさえすれば駄弁とは感じまいが、私の観た回に限って言えば、駄弁は大して笑いを誘えていなかった。
あと、相次ぐ“事件”はどれも描き方に雑味があり、劇を盛り上げるための“材料”として“消化”されているような印象を受けた。
もっと描き方が丁寧ならば、こんなことは感じなかったはず。
…と、キツいことを述べてきたが、上述の「ダラダラ」は「ほのぼの」と言い換えられるのかもしれず、心が温かくなる劇ではありました。