満足度★★★
演劇と、「労働」
客席から、すすり泣く声が続々聞こえてきて、ちょっとびっくりした。ベタな上にもベタな、チャンバラあり、人情あり、フラメンコあり(なぜ?)の、ハートフルなファンタジー。
泣いていた、今日の客席を埋めていた人たちは、普段、あまり舞台を観慣れていない人たちだろう、と思う。自転車で、近所の人に宣伝活動をしたというから、池袋の劇場周辺に住む、普通の人々かもしれない。
なんというか、キャラメルボックスを、大衆演劇と韓流ドラマで割ったようなテイスト。なんだか、ある種、伝統芸能みたいな感じがした。海外で受けていると、チラシにあるのは、こういう、「日本」っぽさが受けているのだろうか。
とにかく、僕ら東京の、いわゆる演劇ファンが、普段「演劇」だと思っているものとは違うものだ。普段の観方と、全然違うものが要求された気がした。