満足度★★
Bチームを観劇。暇人演劇として見応え薄。/約110分
Aチームを観劇後、何日か置いてBチームを観劇。
分かりづらく感じた作品への理解が初見時よりも深まったのは、観劇が二度目だったことに加え、ある女を富田真喜さんが演じたことも要因だろう。
主要人物の一人であるその若い女を、声が通ってセリフの立つ富田さんが演じたことにより、その女を含む日本人の船客たちがなぜ母国を離れて南島へ向かうのか、その理由が初見時よりもよりよく呑み込めた。
ただ、理解はいくらか深まっても、本作が面白いかと問われたならば、答えは否。
多くの時間が割かれている詩談義は実を結ばないまま終わってしまうし、詩を語る連中をはじめとする“暇人を描いた劇”としても見応えに乏しい。
退屈な船旅をやり過ごすため色んな人物がバカなことを始めるのだが、バカバカしさが極まっていないため、コミカルなのに笑えない気持ち悪い時間がたびたび発生するのだ。
砂漠監視隊シリーズという、宮沢章夫が手掛けた暇人演劇の大傑作を知る身としては、同じ暇人を描きながらあのシリーズほどには笑えない本作に物足りなさを感じた。