満足度★★★★
まごうことなき変態の宴(笑)
2015年2月15日(日)
エリーの晩餐会『宇宙戦争が始まったけれど、白井宏幸に守れるもんなんて大島優子の写真集くらいしかなかった』@イロリムラ・プチホール
まず芝居は前節からすでに始まっている。
某大物演出家をリスペクトした扮装の谷屋さんによる前節。
これも、ひとつの芝居、つか屋さん劇場なのである。
場内いい感じにあったまったのかどうなのかわからない中、開演。
開場から客入れ中ずっと、舞台奥側に垂らされた薄物のカーテンの向こう側に、客席に背を向けて座るキャスト陣。
このカーテンの向こう側とこちら側を出入りするだけで、キャストははけることなくずっと舞台上に居ることになる。
舞台設定は、主役である白井宏幸の部屋の中、最初から最後までそれは変わることはない。
一人暮らしの推定ワンルームの一室で、この変態の極みかつ宇宙規模の壮大な話が繰り広げられるのである。
冒頭からラストまで、主役がビシッとしたスーツの上半身にトランクス一丁な下半身という姿だというだけでも、この芝居の変態度合いが知れようというもの。
トランクスのチョイスがね、安心のゆとりのあるサイズではなくピッタリサイズで、白井さんの太ももはマッチョむきむきなので、もうむちむちしてるのです。
そこもポイント。
そんなむちむちした姿で、あられもなくアクションしたりするのは、ドキドキ感効果狙いなのか、どこ向け需要なのか。
ラストあたりに、同じくトランクス一丁姿となった青木さんと相撲をとる場面があるのですが、もういっそ破けてしまえばいいとすら思う。
まぁほんとに破けてもしまうと、身も蓋もない感じになっちゃうので、そこはそう思わせるに留めていただくベスト判断でしたが。
イケメン担当で元ZTONの土肥さんを招いていることもあり、なかなか殺陣もカッコいい。
暗闇の中で三色のライトセイバーが輝く場面は、とても綺麗でした。
可愛い担当の栗田さんは、主宰でやってはるハンプトンコートでお馴染みなメイド姿。
全然メイドの役なわけではないのに(笑)可愛いは正義!
巷で大流行の壁ドン、このお二人でやられてまして、それがイケメンと可愛いのコンビだからそりゃもう様になるのですが、何故か笑える、二回観て二回とも吹いた。
そこで吹くあたりが、わたしの女子力のなさなのかもしれない…きゃ〜ってならないものな。
この芝居の中でジョーカー的なのが、青木さん。
どの芝居に出てても、お笑いが上手い!職人技!
でもまあ、父上役は良いとして、よもや優子役で出てくるとは思わなかったよ、いささかも優子ではなかったけれども。そのいっそ潔いまでの寄せなさ加減が最高。
優子と父上の扮装の転換とスタンバイを、全て舞台奥側の薄物カーテンの向こう側でやってるので、全てが見えてシュール過ぎてたまらなく笑える。
青木さんは地味に大活躍で、使い魔の役(?)も担当されてはって、その準備や片付けもすべからく薄物カーテンの向こう側で大公開で面白かった〜。
座組みの中で、冒頭のタイトルコール以降、終盤まで出てこない古川さん。
出番までのタメの時間の分までもという勢いで、出てきた瞬間からフルスロットル。
テンションの高さピカイチでした。爪痕残そうという気概もピカイチ。
隣人の下着ドロが魔族のプリンスで、大島◯子が地球を侵略せんとする宇宙人で、地球防衛軍がメイド服着てたり実は魔族だったり。
親子の話だったり、恋愛の話だったり、変態の話だったり。
めちゃくちゃスケールがでかくて、めちゃくちゃスケールが小さくて。
骨董無形で馬鹿馬鹿しくって、でも意外ときっちりした主張もあって。
60分程の比較的短めの舞台でしたが、盛り盛りに盛られた密度の高いおもしろい舞台でした!
キャスト陣の熱量が半端なかった。
こんなに全力投球な芝居そうそう観られないよってレベルでした。
こういう芝居は生がいいですね、DVD買ったけど、願わくば何度でも足を運んで観たい芝居。
また次のエリーの晩餐会も、楽しみにしてます!