完熟リチャード三世 公演情報 柿喰う客「完熟リチャード三世」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    リチャードの歪さとは何なのか。
    女体シェイクスピアも7作目。『リチャード三世』を芝居で見るのも初めて。

    ネタバレBOX

    15世紀、ヨーク家とランカスター家の内紛である
    薔薇戦争の最中のイングランド。
    病床に伏していた国王エドワード四世(八坂沙織)の弟
    リチャード(安藤聖)は、王位を狙うために暗躍する。

    今回はまた素舞台。開演前は幕で隠されており、
    幕が開かれる(実際は下りる)とそこには女優七人の後姿。
    この劇中でも見栄をきるような、瞬間瞬間の見せ場の作り方は
    さすが中屋敷さんの演出だなぁと。

    チェスの盤上のような舞台で
    騙し騙され、憎み妬みが渦巻き、
    血で血を洗う殺し合いが。

    リチャード(安藤聖)以外はフライヤーのような露出が多めのドレス、
    リチャードだけはパンツルック。

    リチャード三世がせむしである設定のため、
    歩き方や仕草をそのように見せていた。
    その回のアフタートークで中屋敷さんの解説によると、
    他で上演される『リチャード三世』の場合、
    「いかにリチャードが歪であるか」を表現するかがポイントとなっているが、
    『完熟リチャード三世』では、
    周りの人物をファッションショーのモデルのように美しく振舞わせることで、
    逆にリチャードの歪さを表現したというのがあり、
    とても腑に落ちた。

    安藤聖さんの好演もあるだろうけど、
    他の女優が見た目も仕草も艶っぽく女性らしさを出すことで、
    リチャードだけが異質だなと自然に思わされた。

    リチャードは稀代の大悪党とされるが、
    彼に翻弄されたり利用する周囲の歪さが
    リチャードとなって現れているようにも思えた。

    今回の女体シェイクスピアは、
    普段男性の俳優がやるのを女優がやるという以上に、
    女優だから出来ることを見せてくれたように思えた。

    柿喰う客の女優陣も皆艶っぽくこれまで以上に
    女優としての魅力が溢れてた。
    安藤聖さんは自分が演じるリチャードを上手く体現し、
    八坂沙織さんは正統派な美しさ、
    内田亜希子さんは凛として大人の女性の色気があり、
    岡田あがささんはキレキレな美しさとコメディセンスも良い。

    精鋭女優七人でがっちり吉祥寺シアターの空気を掴んでいた。

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    2015/02/13 08:26

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