空白の色はなにいろか? 公演情報 鳥公園「空白の色はなにいろか?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 鳥公園2度目
    小品ながら濃縮された時間。不条理感たっぷりなのに散漫にならない、従って何か、表で繰り広げられる「現象」を背後から支える物語なり、理論なりが「有りそう」と感じさせる舞台・・が以前見た舞台を考え合わせて言える表現か。撹乱、脱線、といった要素が少なからず生じてくるが、知的に感じる。鋭利な切り口を、俳優らがしっかりその形象によって見せているのも、凄い事であるかも知れない。とも感じる。STスポットの箱に合わせて作られたとみえる装置、その使い方も面白し。

    ネタバレBOX

    お話じたいは、男女の、苦い味わいのある展開が、既に起こっており、また繰り返されそうである、という基本の大筋が示されるが、その図をトレースすると、中心人物の男の不思議な佇まい、人生への構えが次第に濃く浮かんで来る。そして彼を彼たらしめたもの(外的要因=環境、時代?)も、ほのかに見えてくるような来ないような・・。
    男の不思議な佇まいの原因が、何げなく語られる「味がしない」ことと結びついている事が徐々に見えてくる。「無味」の感覚はやがて周囲の物々が自分と関わりなく無味乾燥に、即物的に存在していて、その中にある自分も物体として意味なく存在する一つである、という感覚に向かう。このモデルは、繋がりや意味を予め否定された現代人の「状況への応答」の正確なあり方かも知れない・・などなど考えさせられる事も多い舞台だった。

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    2015/01/24 09:10

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