チャンバラ ~楽劇天保水滸伝~ 公演情報 流山児★事務所「チャンバラ ~楽劇天保水滸伝~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 前衛が娯楽であった時代
    (表題は)今もそうなのであるが‥。観客に語り観客を巻き込む鄭義信の演出、テント芝居の良き伝統の先鋭的継承‥という視点での評価はしたい。
    「物語る」観点では、元ネタを知らないと解りづらい難点が否めない。「天保水滸伝」の翻案と、副題にもあるんだからせめて概略でも踏まえとけと言う話か。狭い演技エリアでの激しい殺陣はえらいものだが、欲しいのは湧き出る「心」の熱度だったりする。その時点での「物語」説明の必要性について、役者は弁えておくべきなのだろう。「物語」の語りは端折られており、その端折りを「粋」と感じとれないと話の筋を追う事で芝居のノリと時間差が生まれてしまう。取りこぼしを手際よく回収しながら芝居が加速するのが理想だが、特に若手侍役のくだりがパターン演技に留まり、関係が解らなくなった(物凄く気合いは入ってヒロイックな芝居も堂に入ってるがそパターンを借りて来てる感じを脱せなかったのが惜しい。また、ヒロイックな役回りじゃないし。情けなさ・みっともなさが無きゃこの時代劇の哀切は滲み出ない)。
    ‥といったうらみはあるものの、祝祭としての演劇に徹した舞台を心して観た、という気にさせてくれた。特に黒テント陣がこの舞台の要求に肉薄していた。72年初演の山元清多作品の再演舞台に、ラストは相応しく、今の時代を捉えたシーンが逆に「かの時代」を照らし出すような感覚に、しばし浸った。

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    2015/01/22 13:29

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