暗愚小傳 公演情報 青年団「暗愚小傳」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    平田オリザ作・演、青年団初観劇
    病んでいく智恵子を直接描くのではなく、高村光太郎と智恵子夫妻の何気ない日常を切り取り、淡々と話が進んでいきます。
    また悲しさをほとんど表現せず、智恵子役の能島さんの屈託のない笑顔や、光太郎役の山内さんの明るい演技が、逆に悲しさを浮き彫りにし、静かに心に染み入るような公演でした。

    こういう見せ方があるんだと感心し、何気ない演技に、プロの役者さんてやっぱりすごいなぁと重ねて感心しました。
    面白かったです。

    ネタバレBOX

    先にも書きましたが、高村光太郎と智恵子夫妻宅に出入りする人々
      永井荷風、宮沢賢治、姪の一恵、姪の夫になる夏木、
      近所の金石さん、使用人の泰子さん、出版社の本間さん、
      アメリカ二世の西田さん、偽三世の村田さん、通訳の中村さん
    との何気ない日常を演じています。

    直接、智恵子が病んでいる様子や死の前後を描くのではなく、
      智恵子に少し兆候があるかないかの何気ない日常、
      精神を病み始めているが不自由なく明るく暮らせている日常、
      智恵子の法事の日の日常、
      智恵子や宮沢賢治が亡くなって数年後の日常、
    を何気ない会話でつづり、淡々と描くことで、智恵子を亡くした悲しさなどが浮き上がってくる感じです。

    ただ本当に何気ない日常会話ですが、ほとんど高村と関係しなかったであろう二世や三世とのエピソードなどがあり、何の意味があるのだろうか(高村光太郎の事をよく知っていれば合点がいくのかもしれませんが…)、戦争に負けた日本の状況をほんわかと表現したかったのかな…、などと思ってしまいました。

    はっきりした起承転結はなく、起伏のない淡々とした静かな会話劇なので、好き嫌いはあるように思いました。

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    2015/01/20 13:00

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