公演情報
劇団冷凍うさぎ「メリィ・リトル」の観てきた！クチコミとコメント
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満足度★★★★
地球がもうダメになるその時
＜場所＞
私にとっては，初めての雰囲気の劇場でした。カウンターバーの横に置かれたほんの小ぢんまりなフロアで，大がかりな美術も場転も無い，身のままの演劇でした。
＜お話＞
私たち人間がいかに，「社会的な地位，財産・門地，物質的豊かさ」をもとに人格を形成し，また心の支えにしているかを思い知らされるストーリーでした。
地球や人類にもう未来がないと断言され，あるいはおしまいのときが近づく。そんな時でさえ，新しく子供は生まれる。
その瞬間に年老いていたら，私はどう生きるか。子供だったら，どう生きるか。中年だったら，どう生きるか。何に苦しめられるのか。本当に，「家族」や「愛」なんかで，生きていけるのか。人格を保つことができるのか。
＜印象＞
各々の登場人物の心情・事情が，ときには別の登場人物のそれと絡み合って進行する展開。けれども，観ていて，複雑すぎると感じたり，受け止めきれなかったりはしない。きっと，どの役者さんも，相手を立てるところでは立て，自分の場面では自分を発揮するということを，終盤まで絶やさず明確に続けておられたからなのだろうと思います。これは，強い精神力を必要とする地道な作業だったろうと思います。
観終わった後，お話の始まりから終わりまでの展開を，これほど明確に振り返ることのできる公演は，私にとっては初めてでした。これは，途中でおいてけぼりの目にあうこともなく，"観る側の居場所"を用意してくれていたからだと，強く感じます。
まつの ゆたか（3）