キレイ 公演情報 Bunkamura「キレイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    観劇納め
    初演も再演も見ているし、出演している大人計画のメンバーも(当然自分もだが)それなりに歳をとった。なので今回はスルーしようと思っていたのだが、最近の松尾さんのエッセイや舞台を見ていると、この頃(2000年前後の松尾チルドレンとか例えられてた時期)書いていたような作風を見られるのは今後は減少していくかもしれないと思い、チケット完売後ではあったが、追加販売の立ち見席から観劇。
    オープニングテーマのイントロが聞こえたら、よくわからない感慨が溢れ、なぜか感涙しそうになった。観劇するだけの客なのに。こんなん書いてるだけで赤面じゃ。

    公演時間が休憩含め3時間半近く。
    休憩時間のロビー混雑を見たら、さすがに初演時のようにロビーで幕間ネタ披露みたいなことは出来ない。だが、舞台上での大人計画の役者陣が大きい劇場でも小劇場感を醸し出していることは見てて嬉しかったりして。
    14年も経てば、差別心や犠牲心にかなりの変化は生じ、暗部と思われていた事件内容もいつの間にかありふれた感覚に浸透してしまった現在。今後もこの作品が上演されるかはわからないが、世代を超えても小劇場界の古典作になりそうな舞台に確変しそうな作品だと思った。
    頑張って見に行ってよかったです。

    ネタバレBOX

    少女の過去と現在と未来を行き来する話の展開は全く変わっていない。
    14年前に見た時、荒唐無稽だけど少女を取り巻く事件のうすら寒さに現実感でカオスな印象があった。歌やダンス、キャストそれぞれの勢いがはまって、とても面白かった印象。
    ライブ会場などでアーティストの演出に映像を使うのには馴染みがあった。今では一般的な舞台演出での映像仕様も、それまではごく一部の舞台でしか見ない方法だったと思うが、今では技術も進歩してるし、浸透し見慣れてしまった演出法になっているけど、この頃あたりから、この公演に限らずだが、映像モニターを多用した演出が出始めた様な気がする。
    直前にいろいろあった再演もそれなりに魅力が発揮されていた舞台だったと思う。
    3度目となる今回、時事ネタや音楽の変化はあったものの、初演時同様の見る新鮮さ、バンドサウンドからオーケストラサウンド対応に変わった厚みが加わり、より一層楽しめた。
    ダンスシーンもNo more 映画泥棒の人なみに腕と体がよく動くこと、これまでとは違うダンスの美しさだった。

    ケガレとハリコナとカスミお嬢様が並ぶと、背丈が統一されてて同世代感もあってバランスいい。初回でこのハリコナやカスミお嬢様を見る人が羨ましい。
    マジシャンは「陰」より「おっちょこちょい」感が見えて、もう少し怪しい部分が出てくれればよかったかなと。成人ハリコナは初演時配役の当て書き要素が強いのか、役者さんは悪くないんだけど演者の年齢的な違和感が見えて困った。
    歴代ケガレ、それぞれ良かったんだが、今回の多部さんの持っている少女の持つ素直な全面性から、女性に変貌する、その交錯する部分がよく見え、歌や踊りの上手さもビシバシ伝わり非常に良かったです。
    戦争未亡人の館で仕切る家納さんの迫力、しびれました。ほか、大人計画の面々は安定の面白さ、吐夢さんは変わってなかったけど。

    地下から扉を押し上げようとするケガレ、地下の扉をこじ開けようとするミソギ。この場面は何度見ても胸が熱くなる。
    ミソギとダイズ丸の信頼のような愛情シーンも同様。感無量。

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    2014/12/28 16:26

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