舞台演劇「シカク」に隠された最後の死角(もしかしたら久保田さんが見せたかった本当のもの?)
「ち、違う、佐藤ノブさんの男Cは!」
というネットの噂を耳にして、
まだ回収出来ていなかった佐藤ノブさんの男C
(この噂を聞くまでは、結構な回数観劇したし
今回はもう諦めていたのですが)
かなり興味が湧いてつい再度観劇。
しかし、まず目を引かれ、
そして目を離せなくなったのは男A福田さんでした。
福田さんの男Aは公演期間序盤に1回観劇していて、
「後半に向かうほどに上手く感情がこもっていく、
しりあがりに良くなっていった回」と以前感想をあげています。
その福田さんが、
・ 福田さんという役者としての自然体
・ 福田さんとしての男Aに対する理解の深まり
(この時の男Aはきっとこんな気持だったのだろう、という)
など、色々なものが活かされたのだと思いますが、
今日はもうしょっぱなから(あくまでも自然体でありながら)
とても感情を載せた男Aを演じていました。
その感情の起伏の見せ方が「男Aの1つの形」にして、
(観劇している自分が)
「男Aの立場に立ったのならまさにその時その気持ちになるはず」、
というぐらいピッタリハマるものだった為か、
その豊かにして感情爆発といえるぐらいに
熱の入った表現にもう夢中になりました。
※ おかげで「シカク」の中で自分には謎だった部分が
また1つ解明されました。
主目的だったはずの佐藤ノブさんの男Cについて、
これもまた良いものを観せてもらいました。
まさに芝居経験年数の違い、芝居巧者としての演技、
「シカク」を1回でも観劇している人なら
ぜひ自分の観た男C役とノブさんの男Cを比べる事で、
役者の役に対する理解と想像力、役作りによって、
同じ脚本でも舞台上の表現はここまで変わる、
という事が比較できて楽しいと思います。
※ あくまでも演出の許可あっての事でしょうが( ´ー`)
沖野さんについては「いわずもがな」、
言える事は「表現力がスゴイ」の一言。
沖野さん同様平山さんについても初日から既に完成されていた、
今日もまさに「演技上手」と言えるお芝居でした。
(その表現についても、微細な部分について
表現方法を変えてきた(?)と思われる部分があり、
「更に」分かりやすく共感しやすくなった部分がありました。)
そして、男A:男B、男A:男Cのそれぞれの感情爆発が共鳴しあうように、
今までに自分の観てきた「シカク」とは
また別の色合いを持った(自分の知らなかった)
ミステリ要素よりも感情劇としての
「シカク」を見せつけられたような気がします。
※ 初回からの竹石さんの「男A」が一番ピッタリ(適役)、
とずっと思っていましたが、
劇の色が変わると今度は福田さんがピッタリ、と見えてくる。
舞台「シカク」の自由度の高さに驚きです。
あと、「少々のトラブルで慌てない」、
これが今日の役者陣全員徹底出来ていたようで、
多少のミスなど気にせず自分の芝居を続ける事で、
(観劇する側に動揺を与えない)
求心力を落とさないままに閉幕までを演じきっていたと思います。
(これがある意味一番褒めたい点かも知れません。)