シカク 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「シカク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    栗田「まあ!これはただの『会話劇』なんかじゃないわ、『ボクラ団義の会話劇』なのよ!」
    山岡「ああ、これをそんじょそこらのスーパーで並んでる会話劇と
      一緒にしてもらっては困る。
      これはあの企画演劇集団ボクラ団義が丹精込めて作った、
      ロジカルミステリの傑作会話劇なんだ!」
    と美味しんぼネタは置いておいて・・・


    編成:竹石さん、沖野さん、大神さん、平山さん


    何を書いてもネタバレになってしまうので内容には触れられないのですが、


    普通、(特に少人数の)会話劇と言うとその登場人物達の
    言葉のキャッチボールの楽しさ、悲しさ、怒りなどの感情劇とその深さと、
    その裏に刺し込まれた脚本/演出家のメッセージ/テーマに対して
    共感出来るかどうか、で面白さが決まるものと思ってました。


    しかし企画演劇集団ボクラ団義の「ほぼ4人芝居『シカク』」の会話劇は、
    いつものダイナミックな殺陣その他がなくても
    見事に観客の感情・思考をがっつり掴んで自由自在に動かしまくって、
    というロジカルミステリ脚本の第一人者久保田唱と
    情熱のベテラン役者陣が揃ったボクラ団義だからこそ、

    そしてならでは!と言いたくなるほどに
    「思考迷路」(攻殻機動隊の用語( ´ー`))に
    陥りそうなくらいに心を物語に動かしまくられた、

    「ハイパー脳トレ(アクションなし版)」とでも言うべき
    見事な会話劇(会話物語とでも言うべき)でした。


    あとこちらに書ける感想として、
    前公演「耳があるなら蒼に聞け!」の時、
    初めてのスタンプラリーイベントという事で
    5回までは観劇してみたのですが、

    何度観ても「名作である」とは思うものの、
    1週間1ヶ月1年と間も空けずに連続で観劇していると、

    何回目かで「伏線回収などの面白さ」を越えて、
    同じネタを繰り返し観ている事により
    感動度合いが減ってしまうのを正直感じていました。

    ※ はっきりいって「同じお客さんに10回観劇させる努力より、
      新しいお客さんを開拓するのが正道なのでは?」と思いました。


    しかし、今回のスタンプラリーイベント(再観劇のお誘い)は、
    それとは一味も二味も、その意味が異なります。

    スターシステム?(看板俳優を中心として、脇役もバイプレイヤー(脇役としてのベテラン)を配置した形)の
    構成を中心にいつも編成してきたボクラ団義、

    正直「この俳優さんのもっと深いお芝居を長く観てみたい!」と思っても、
    それは「客演舞台でどうぞ」という形になっていたかと思います。
    (まあ集客の為には観客を呼べる看板俳優を中心に据えない訳にもいかないのですが・・・)

    しかし、役者ファンというより劇団自体のファンの自分には、
    全役者の芸幅とその力量が見れない
    (脇役の方は出る場面やその背景設定などが限られていて表に出てこない)、
    というのは非常に残念でした。


    特に最近ENGのTHRee'sで

    ※ あのお芝居は人が主役というよりも
      「三国志序章 新案」とでも言うように
      物語自体が主役という形式だった事もあり

    ボクラ団義のベテランから若手演者までが
    「それぞれの場面まるごと」をもらって
    そこでかなりいい演技をしていたのを観て、

    「ああ、こういう舞台が観たかったんだよなあ」
    と(お父さん的心情で)涙腺を緩ませてしまいました。




    そして今回の「シカク」、
    「耳があるなら蒼に聞け!」の時、
    「次は会話劇かつ4人芝居」という情報にも驚きましたが、
    その4人を劇団員フルアサイン(竹花さんはお怪我の関係で今回は残念でしたが)と聞いて

    「これこそ劇団員というより劇団自体のファンである自分や
    その他の観客が何度でも色々なキャストで観劇したい、
    全劇団員フルコンプリートする為に再観劇したくなるタイプの舞台、
    そしてスタンプラリーが活きる舞台だ!」と思いました。

    また、ゲスト様についても
    ボクラ団義本公演でも何度も絡んでいるベテラン演者陣
    (中野さんはENG THRee's共演ですが?)の出演に、
    これまた観たかった組み合わせ、と期待させられました。


    残念でならないのが、こんなにレベルが高い舞台だと知っていたら
    もっと早くフライヤーでキャスト編成を確認して、
    全キャスト登場回をフルコンプリート狙えば良かったかな、という事です。

    ※ 正直、「4人の会話劇」と聞いた時から
      普通に会話劇をやっちゃって、
      感想「突拍子もないタイトルの割に案外普通でした」という事に
      ならないか心配で様子見の4回予約でした。

    とりあえず、予約間違いで押さえられなかった一部演者様の舞台は
    この感想書き終わったらすぐ予約します。


    表感想がこんなに長くてすいませんm(_ _)m

    ネタバレBOX

    ※ 今まで感想は1舞台に対して1投稿にしてましたが、
      やっぱり何度でも観ているものについては
      その回その回で感想があるので
      (特に今回のようなキャストの異なる芝居では)
      別々に感想を上げる事にします。


    2014/12/18(木)19:00観賞

    編成:竹石さん、沖野さん、大神さん、平山さん

    ・ 舞台開始の白幕裏、影絵での暴行シーンから、
      もうボクラ団義マジックは始まってたのかな

      あそこで「あれ?暴行してるの沖野さん?」と沖野犯人説、
      が頭の片隅に置かれました。
      それがまさかここまで動くなんて・・・

      ある意味沖野さんは犯人でしたが、物語としては被害者でもあるんだなあ・・・


    ・ 会話劇というと=静の舞台
      というイメージでしたが、本当に(いつも以上に)
      動きまくる物語でした。

      アクションがない、間と闇を有効活用していた事などから、
      物語自体の展開の多さがよく感じられました。

      最初、暴行事件、彼氏との突然の別れ、はあれども最後新しい彼氏と
      楽しくバーベキューする、愛のある終わりを迎えたのか、
      と思わせた次の瞬間

      男B沖野さん「死んだのは俺だった!」(彼女に殺されたのは俺だった、だっけ?)


      と物語が思わぬ方向へ展開し
      (手袋は確かに気になってましたが、今が丁度冬だったのであの伏線は読めませんでした)


      今度はヒロインとの仲がずっと偽の恋愛だった、演技されていた、という話から
      失明自体が嘘、犯人を探している、という話へ。


      この頃に気になりだすのが、
      あくまでも男A竹石さん(彼氏)、男B沖野さん(犯人)、女平山さん、
      の3人(の三角関係)が目立ち、
      「恋の話である」と何度か繰り返される台詞からも、
      これだと男C大神さん(ヒロイン兄)は目立たず、
      「シカクじゃなくてサンカクなんでは?」

      と思わせておいて(きっとこれも久保田唱流人心操作術なんでしょうね・・・見事に騙されました)


      更にヒロインと兄、そしてヒロインの過去の悲しい物語、
      更には犯人が「犯人ではない(心臓の記憶に操られていた、かつレイプはしていない)

      と動き出して、


      現在~未来のバーベキューまでの間のいくつかのシーンが何度も
      リプレイされる度に
      観ているこちらの感情と思考を
      ・ 恋の話?
      ・ 殺された?
      ・ 犯人探し?
      ・ 過去の悲しい記憶と兄妹のいびつな関係、
        そしてヒロインの本性(復讐心)
      ・ でもみんな「生きる」決意をした?
      と何度も何度も自由自在に思考操作されてしまいました!

      最近ご無沙汰だった事もあり、
      「ああ、これぞボクラ流ロジカルミステリ
      (演劇スタイルは今回は会話劇ですが)」
      と、ちょっと懐かしさも感じました。


    ・ 最後の締め、男B沖野さんがヒロインを助けようと(実は自殺しようと)川へ飛び込むシーン、
      その叫びを男A竹石さんが
      「生きる資格じゃなくて、あいつは(ヒロイン兄の記憶も蘇った)俺には死角はない!と叫んだんだ」
      という言葉が胸にグサリと刺さりました。


    ・ かなり小さめの劇場(椅子も小さい)でしたが、
      演出方法が面白いものばかりでした。

      白幕の影絵による暴行シーンに始まり、
      いつものような映像、
      プロジェクションマッピング?(でしたっけ?あの箱に映像投影する技術)、
      群舞的なダンス、
      そしてヒロインの失明した世界を表す為の真っ暗闇での会話劇、
      最後の群青色の川を表す天井落ち、
      などなど。


    喉を痛めてしまっていて咳をして舞台の邪魔をしてしまうのが大変申し訳ないのですが、
    ぜひ出来るだけ出演キャストをコンプリート出来るよう
    更に観劇数を増やしたいと思いますm(_ _)m

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    2014/12/18 23:51

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