花と魚(劇作家協会プログラム) 公演情報 十七戦地「花と魚(劇作家協会プログラム)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇場の大きさと世界観がハマッてくるのが圧巻
    狭い空間の会話劇を2作観てるので、
    大きな空間ではどうなるのかな、とドキドキしての観劇。

    舞台美術を効果的に使っていて、
    前半と後半の様相が変わるときや
    小道具の使い方が巧いなと思いました。

    一つの小道具を起点に場面が切り替わり、
    別のものとして扱われる演出など、
    雑多に見える舞台装置なのに演出はごちゃごちゃしてなくて好き。

    一つの言葉で
    周りの人々が思い思いの反応を見せるのが
    相変わらず細かクテ見ごたえがあります。
    賛成か反対か、肯定か否定か、
    次の言葉を待たずとも観るだけでわかるのが楽しかったです。

    言葉で説明しているのに、
    その内容がダイレクトに脳内で映像に浮かぶ
    脚本・役者の説得力に感激しました。

    半数以上の人間が宮崎弁で喋るのですが、
    初見でも大体のニュアンスは理解できました。
    (まくし立てる系のセリフはほぼ聞き取れなかったので、
     前後の様子で言わんとしてることを類推する感じ…)

    人物関係図・補足情報、とても助かります。
    観てればわかるのですが、
    登場人物の名前に振り仮名がほしいなぁと思いました。
    (大次=ひろつぐ が最初ピンと来なかったです。
     あと見た目でわかってたけど猟師さんの苗字がいまいち認識できず)

    上演時間は2時間だったけど、あっという間に感じられて
    体感時間は1時間、
    でも内容的の濃さ的には3時間レベルだと思いました。


    ネタバレBOX


    「坂根」が「さかな」と発音が似ているのが
    大きな伏線になっているということに後半の展開で気づき、
    「人間には止められない、でも抗うべき力」のいろいろに
    思いをはせました。
    小さな場所の問題が、大きな現象に広がっていく展開、
    この座・高円寺という劇場で観れてよかったと思いました。


    初演が2011年7月ということで、
    震災や原発などに通じる部分もありましたが、
    ダイレクトにそれをメインに語るんじゃなくて
    (阿藤所長がちょっと口に出してましたが)
    実際に詳細な描写が出てくるのが別の事件なのも
    巧いな、と思いました。
    繰り返してるんだな…というやるせなさを感じつつ。


    あと、「靴を脱ぐ」という単純な動作なのに、
    彼らがどうなったのかがこちらに伝わってきて、
    その後の彼らの動きとともに
    次の場面の七生の突飛なセリフに真実味を持たせていて
    すごいなと思いました。

    0

    2014/12/14 11:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大