みえない雲 公演情報 ミナモザ「みえない雲」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本との出会いと考え続けることの難しさ
     細かいところをあげればいろいろあるとは思いますが、原作の持つよさを損なうことなく活かしながら私(=瀬戸山さん)のドキュメンタリー的な要素を加味した構成力のバランス感、随所に見られる演出の工夫が冴え渡っていた舞台作品でした。上演時間は約2時間25分(休憩無)。

    ネタバレBOX

     大事なことはなかなか見えてこないからこそ、しっかり自分の目でみて自分の頭で考えなければいけない。しかしそれをせず他人事として無知、無関心に徹しさらに他人にその判断を丸投げにしてしまう人々がいかに多いか、その憤りが最後の場面に集約され実によく表れていたと思います。
     また、ほとんど何もない広い舞台上で、それぞれメインの役以外に何役もこなし小道具のセットも行い縦横無尽の動きをされていた役者の皆さんは大変だったと思いますが、それによって舞台に躍動感のようなものが生まれていました。
     「ことばは発した瞬間から腐ってくだらないものになってゆく」というせりふにもあるように、世の不条理に何もできない自分に腹を立てことばの無力さに絶望しながらも自分には物語を書き続けることしかできないという私(=作者)の頭の中の葛藤をストレートにぶちまけて表現していた陽月さんの好演が印象に残りました(やや作りすぎの感はありましたが)。

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    2014/12/13 22:15

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