【ご来場ありがとうございました!!】媚媺る、 公演情報 ロ字ック「【ご来場ありがとうございました!!】媚媺る、」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    あの女性キャラクターは果たして必要だったのか?/約120分
     不条理劇やコメディならともかく、人間ドラマの登場人物として、イカれきったあの女性キャラクターは有りなのか?

     性格付けが極端すぎて現実離れしており、あそこまでアクの強い女が身近にいない多くの観客は、“私の住む世界と劇世界は別”と考え、舞台との間に心理的距離を置いてしまうのではないだろうか?

     これでは劇にのめり込めない。

     事実、私がそうだった。

     あの女性キャラクターを出すのなら、もうチト“まとも寄り”なキャラ付けをし、ギリギリ身近にいそうなリアリティをまとわせないと、客は劇中の出来事を“我が事”とは感じず、人間ドラマとしての本作の吸引力は大きく減じてしまう。

     ある連続殺人事件の被疑者女性がモデルだそうだが、モデルが実在の人物でも、その人物を基にした劇中人物の言動・行動が常軌を逸しすぎていれば、客は劇にまともに取り合わなくなる。

     しかも、曲者すぎるその女はおのずから物語の攪乱役を担わされて悪目立ちし、思うようにいかない現実に苛立つ2人の女性キャラクターの存在を霞ませる。

     あの2人こそ、もっとしっかり描かれるべきではなかったのか?


    ネタバレBOX

    「あの2人」とは、入浴剤メーカーに中途入社したくだんの狂女・森谷に、幸福からはほど遠い人生をさらにメチャメチャにされる白石とマリ。
     
     内気な性格を直し腹が立ったら怒(おこ)れる人間になろうと努める社内の日陰者・白石は、後輩社員となった森谷の口車に乗せられて悪事を働き、性格の克服云々以前に職場での立場をさらに悪くし、クビ一歩手前の状態に。

     男を寝取ることを生き甲斐とし職場恋愛中の男子社員とつぎつぎ関係を持つ森谷に学生時代、カレシを奪われたことのあるニートのマリはひょんなことから森谷と再会し、森谷に怯えてますます家に引きこもるようになる。

     こうして、白石とマリの人生はメチャメチャにされ、2人の葛藤の物語という性格を強く持っていた本作自体もメチャメチャに…。森谷に生活をかき乱されて、葛藤もへったくれもなくなってしまうのだ。
     2人の心模様に最注目しながら鑑賞していた身としては、誠に残念。
     
     
     

     ここであらためて言う。
     
     森谷という登場人物は果たして必要だったのか???

      

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    2014/12/10 20:12

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