満足度★★★
浅い
踊りは上手いのだが、シナリオが平板で、演技も溜めの必要性を意識したり、間によるドラマツルギー構築ができるレベルにない役者が殆どである。年齢的に若いということもあるだとうが、演技に関しては、これからかなりの修練が必要である。また、シナリオライターは、少し哲学書位は読んだ方が良い。ハンナ・アーレント辺りが、入り易く20世紀の知の集大成としても、また皮相な現代への痛烈な批判者としての彼女の仕事の意義からしても良いかも知れぬ。無論、フーコーやラカン、デリダ等から入っても、ハイデガーやサルトルから入っても、スピノザ、ニーチェ、カントなどから入っても或いはウィトゲンシュタインから入っても良い。これらの哲学者を合わせ読んでも、プラトンやソクラテスらギリシャ哲学を学んでも良い。世界の捉え方が、現在の余りに平板なそれとは異なってくることだろう。先ずは、しっかり生きることを。
今作で気に入った科白は「屑でも守りたいものはある」の一言。このレベルの科白が最低10程度は欲しい。