満足度★★
プティ作品と定番古典
上野水香さんがプロデュースしたガラ公演で、海外の大物ダンサーも出演していたわりには地味な印象を受け、物足りなさを感じました。
『オープニング』(構成・映像:高橋竜太 音楽:G.ガーシュイン)
手前の紗幕に投影した映像に合わせて動く趣向は面白かったものの映像のセンスが好みではありませんでした。
『レ・トロワ・ジムノペディ』(振付:ローラン・プティ 音楽:E.サティ)
様々なリフトを淡々と見せる作品で、所々に新鮮な振付がありました。一番有名な第1番をカットしていたのが残念です。
『パリの炎』よりパ・ド・ドゥ(振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:B.アサフィエフ)
回転や跳躍が連続する作品で、踊りは丁寧ではありましたが、もう一つ突け抜けた感じが欲しかったです。
『QLOCK』(振付:高橋竜太 音楽:SINSKE)
新作初演で、男が女に話しかける一瞬の長さを描いていました。ジャズダンス的な振付は良かったものの演劇的表現が安っぽく感じました。
『瀕死の白鳥』(振付:マウロ・デ・キャンディア 音楽:C.サン=サーンス)
有名なフォーキン版とは異なる男性ソロで、所々にぎこちない動きが入るのが印象的でした。床の狭いエリアだけを照らす照明が美しかったです。
『シャブリエ・ダンス』(振付:ローラン・プティ 音楽:AM.シャブリエ)
2組の男女デュオで踊る作品でしたが、あまり印象に残りませんでした。
『ジゼル』より第二幕のパ・ド・ドゥ(振付:ジャン・コラーリ/ジュール・ペロー 音楽:A.アダン)
ほっそりとしたスタイルの渡辺理恵さんの重力を感じさせない動きが幻想的でした。
『白鳥の湖』よりアダージョ(振付:レフ・イワーノフ 音楽:P.I.チャイコフスキー)
安定した表現で美しかったです。
『ドン・キホーテ』第三幕よりグラン・ディベルティスマン(振付:マリウス・プティパ 音楽:L.ミンクス)
ガラ公演にふさわしい賑やかな作品で、高揚感がありました。柄本弾さんが際立っていました。
『チーク・トゥ・チーク』(振付:ローラン・プティ 音楽:I.バーリン)
ジャズに乗せて踊るショウピース的作品で、公演全体を締めるデザート的扱いが洒落ていました。
『フィナーレ』
各作品の1シーンの静止ポーズを四角いスポットライトで照らしていく構成で、ユーモアがあって良かったです。