New Planet One 公演情報 笛井事務所「New Planet One」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    星新一ワールド
    なるほどこうなるのか。といった感じ。まず感心でした。
    本を、というか、ショート・ショートを本のまま言葉を一切変えずに戯曲化したことが素晴らしい。よほど情熱を持って芝居を作っているのだろうと思いました。朗読活劇とはこういうことだったのですね。本だけど、芝居。新感覚です。
    勿論、映像ではないのでUFOやロボットが出てくるわけではないけれど
    舞台で真正面から星新一ワールドに挑み、見事にそのセオリーを打ち出していたと思います。7作を繋げた構成も見事!
    日本文学にこだわるこの団体に今後も注目です。
    ちなみに奥村飛鳥さんの頭のおかしい女性の役はハマリ役でした。笑顔が美しくて恐ろしかったです。ボッコちゃん役の澁谷晶己さんもロボットの役作りが素敵でした。

    ネタバレBOX

    舞台は三方を囲んだ形状。客席はそれをコの字型に囲んでいました。
    この団体さんは明石スタジオを面白い使い方するなと前々から思っていましたが、今回もでした。やや、このスタイルが定着している感も。しかしいろんなところから役者さんが出て来て楽しいです。
    本編が始まってびっくり。一人の男が落ちていた本を拾って物語の中に入って行く(たぶん)という構成でした。なるほど。それで構成台本が。
    そしてストーリーが進むにつれ感心したのは、本の文章をそのまま台詞にしてちゃんと戯曲の様になっていたことです。台詞になっているところはそのキャラクターが言い、文章の部分は本に入り込んだ男が読みます。朗読活劇という物を初めて観ましたが、なるほど、これはいろんな可能性を秘めているかも。
    上演された中で知っていたのは「生活維持省」と「ボッコちゃん」だけでしたが、他の話も観てみるとなんだか読んだ覚えもあるような・・・。
    「来訪者」に関しては正直まだ考え中ですが、他は主義主張のはっきりした作品ばかりで、本を読んだだけではわからない、想像力の部分をしっかり見せてくれました。
    しかし、最期まで不思議だったのはどう最後の落ちを付けるのかということ。まさかこのまま朗読劇的にササっと終わってしまうのかと思いきや、しっかり星新一らしく「反転」で魅せてくれました。
    個人的にはやはり奥村飛鳥さんの演技が好きです。前回も安部公房「友達」の次女役で可憐な殺人者を演じていましたし、今回も危険な女役が見事にハマっていました。今回は構成に演出に出演と大変そうでしたが、それを感じさせないパワーを放っていたと思います。
    星新一ファンは是非、観てみたら面白いのではないでしょうか!

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    2014/11/29 01:45

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