満足度★★★
もっと石井ちゃんに花を持たせて欲しかった/約110分
キャスト表の筆頭に名前のある石井ちゃんの影が薄い。
長めのコントのようなワンシチュエーションコメディにしたほうがコント師でもある石井ちゃんは活き活きしただろうし、掛け合いにもドライブ感が出て、劇自体も盛り上がったのではないだろうか?
なのに本作は複数のエピソードから成り、ワンシチュエーションコメディからはほど遠い。
エピソードが多過ぎると話が散漫になって渦のようなものが生まれず、劇に没入しづらくなるし、いきおい場面転換が増えて盛り上がりが寸断され、ドライブ感も生まれづらくなる。
これでは、コメディとしての爆発力に欠けた作品になるのは当然。
だいいち本作、テーマが重い。
テーマを手短に表現するなら“中年男の再生”ということになろうが、ユーモアというオブラートにくるまれていながらも劇中の中年トリオの置かれている境遇はやっぱりキビシく、同じく中年の私は身につまされてしまった。
でも、全体的には楽しい印象の劇でした。