とけない鎖 公演情報 劇26.25団「とけない鎖」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    保険金殺人
    の母と共犯にされた者と、実の娘(更なる追記2014.11.26)

    ネタバレBOX

    彼女、ななしは14歳の時、父の計らいで家を出た。実母、冬子が詐欺罪で逮捕されたのみならず、母の犬となって共犯にされた世話役のさゆりも同様に捕まったからである。この事実が顕在化する前に、父は、娘を事件の齎す喧騒の渦中から救い出したいと考えたのであった。警察の家宅捜索は、単なる詐欺では無く、それ以上の罪を疑っていると考えるのが、至当だと思われる熾烈なものであった。事件が起こったのは九州、そして事件は冤罪でもなければ、単なる詐欺事件でもなく、父の懸念した通り、保険金殺人という重罪であった。
     父は、知り合いのつてを頼って、芸能関係の会社が持つ寮に娘を預け、毎月の仕送りを欠かさなかった。一方、ななしは、器量も良く、才能も見込まれた為、芸能事務所はアイドルとして売り込めると判断し、初期投資を積んだが、彼女に母の暗い思い出がある為か、彼女の才能が花開くことは無かった。為に、終に事務所も彼女のデビューは諦め、芸能界からは干されて、愈々、住む所も無くなり掛けたその時、担当は、彼女を雑用係として、自分の所で雇う形にしてななしをフォロー、小説執筆ができる環境を提供する。ななしは、自分の生い立ちをベースにした小説を仕上げ、その作品で見事、純文学の登竜門とされる文学賞を受賞した。受賞インタビューでの思いがけない返答や容姿の麗しさから、忽ち時代の寵児となった彼女であったが、有名になり、人気が出れば、彼女の生い立ちを詮索する輩も出てくる。ネット上では、早くも彼女の母親に纏わる噂が、囁かれ始めていた。彼女の実母が殺人犯なのではないか、との噂である。それを事実だと、ななし自身が自分のブログで認めてしまったから、業界は大騒ぎ。手のひらを返したような、ななしへの過剰なバッシングや担当編集者への嫌がらせ等々が重なった。
      ななしは、自らの影響力の大きさに愕然としながらも、自ら表現者の位置・意味を見出し、その重い責任を果たす為にも表現する者として生きて行くことを選択する。このラストが、実に良い。

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    2014/11/22 04:03

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