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アジアシリーズ vol.1 韓国特集 多元(ダウォン)芸術『いくつかの方式の会話』
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
フェスティバル/トーキョー実行委員会「
アジアシリーズ vol.1 韓国特集 多元(ダウォン)芸術『いくつかの方式の会話』
」の観てきた!クチコミとコメント
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たんげ五ぜん(452)
満足度
★★★★★
名もなきいち女性の人生の提示
名もなきいち女性の人生の提示。
それが本当に素晴らしいかった。
ネタバレBOX
ドキュメンタリー的取材や対話に基づく作品創りや、そこで味わった役者自身の変化を舞台にのせるという方法、また素人をそのまま舞台に上げる手法自体は真新しい方法ではないが、その視点にきちんとした核心があって、素晴らしかった。
それは、単に素人を舞台に載せるという意味ではなく、大きな歴史に記述されないいち女性の人生、その生活の細部の提示。それを、大きな激動の韓国の近現代史と現在を視野にいれながら展開する。と言っても、軸はこの女性イ・エスンさん個人にある。
彼女の存在の提示は、掴みどころのない政治的事象や歴史的事象を凌駕する説得力を持つ。
もはやこれは演劇ではない。視点なのだ。歴史を見る視点の提示。
そして、そこから個の人生と、歴史について考える。
この演劇を、芝居として面白くないなどと言うことは、観方によっては可能かもしれないが、それはあまりにも小さな個人の人生をないがしろにした観方であるだろう。
もし批判をするとすれば、この名もなき女性の存在を提示することで、この人の人生を批判できないように、作品も同様に批判のしようがない点を「ずるいよ~」というだけだろう。
アフタートークで、構成・演出のイ・キョンソン氏は、この作品を作る過程で気付いたのは「女性の労働」の意味だと言っていた。この芝居でも、彼女が部屋・舞台を掃除する時間がかなり長く提示される。この時間の豊かさ。重み。このシーンの間、私は様々なことを考えた。奇しくも私の母もイ・エスンさんと同じ年。彼女の女性としての、オモニ(母)としての生き様に心を打たれた。
また、若い役者の演技も良かった。
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2014/11/14 22:05
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