IN/GO rewrite 公演情報 EgofiLter「IN/GO rewrite」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ユニーク
    五島に僅かに残るカクレ(キリシタン)は、長く激しい弾圧の為に様々な偽装を凝らして信仰を守った。
    (内容のもう少し細かい点については、楽日以降に追記する。普段は経験しないであろう、価値観やそれらの価値観をベースにした物語に取り敢えずは浸って欲しい。)

    ネタバレBOX

     1612年から1899年迄288年に亘った弾圧の歴史である。弾圧の具体的在り様は在所によって異なり、継承は明文化された聖書によるものではなく基本的には、口伝であった為、内容は伝える者の記憶に曖昧さや間違いがあれば、そのような形で伝わったハズであるし、伝えられた者も、その内容を次の者に正確に伝えたか否かもハッキリ言って分からない。その上、大々的に皆が集って会議を開くこと等出来なかったわけだから、各々の教義は在所によって相違を見せるに至った。
    通常のキリスト教と異なる点を少し挙げておくと、供え物は、パンの代わりに餅、ワインの代わりにお神酒という具合だ。マリア・キリスト母子像やキリスト磔刑像などは、表に出す訳に行かないから納戸神に姿を変えた。更にこれらの偽装はその域を越え、納戸神を偶像化して崇拝するような流れや、禁教令時代の宗教指導者を聖者と崇めて新たな経典、天地始乃事を絶対化するなど、独自の進化を遂げた。結果、キリスト教が明治政府によって認められた後、やってきた宣教師からは、異端とみなされる始末であった。然し、一方で、カクレの先祖が288年もの間、命崖で守ってきた信仰は、欧米のキリスト教諸派の教義とはことなるものであったから、通常のキリスト教に改宗する者とカクレのまま過ごす者の間には、微妙で根深いずれが生じていたのも事実である。
    今作は、こんな状況を背負った過疎の島の最後のカクレの死に纏わる物語である。

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    2014/11/08 02:53

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