満足度★★★★★
side Aという視点から
オーストラリアのカウラ捕虜収容所の集団脱走事件は、
日本で何度もドラマ化され、死ぬための悲惨な脱走が描かれています。
しかしオーストラリア側としては、その解釈に反論もあるようです。
捕虜たちは労働も免除され、自由な環境で厚遇されていた。
まさか死ぬために脱走を試みるとは思わなかった。
監視兵たちは予備役の再招集ばかりで、
しかも機銃陣地も日本兵の攻撃を受け被害が出るまで
発砲は許されなかったとか。
そうした状況を踏まえ、side Aというタイトルには、
オーストラリア側からの視点という意味が込められているのですね。
物語は、現代と当時の対比や、若者たちの感性の違い、
英語には字幕が映し出される演出などの工夫があり、
理解しやすくおもしろかったです。