満足度★★★★★
逞しく生きる
1948年当時…生きるためになりふり構わないという、バイタリティを感じさせる公演だった。一方、貧しさ故の悲哀も十分描き込んだ秀逸な作品だと思う。戦後の食料というと、食糧管理法の下で、栄養失調で亡くなった裁判官のことを思い出す。闇米拒否する清貧さによるそうだ。
さて、単に善悪だけを論じることに意味がない状況下…この苦難を経て今の日本がある。この公演は、登場したような人達の姿を通して、現在の有り様を考えさせる一石を投じた作品だと思う。刑務所のほうが食事の心配がないようなセリフがあったが、現在では働く場所、就業形態の不安定化による生活困窮が問題になっている。正直者(法遵守した人が死亡)が……不条理にならないようにする必要があるだろう。
さて公演だが、舞台セットは悲惨な状況を感じさせる見事な作り込みであった。そのセット(窓からの出入りも含め)を十分活用した演出も見事であった。一部小物等(盗品靴が新品、黒先生の靴下が新しい)に違和感はあったが、そこはご愛嬌だろう。
全体的には、社会的訴求力のある好公演であった。
今後の公演にも期待しております。
2014/11/12 15:09
楽しんでいただけたようで、本当にうれしく思います。
矛盾のある事は今も変わらずありますが、あきらめずにやれることを必死で行いたく思います。
次回も精進してまいります。
応援よろしくお願いいたします。