2つの重力の間で 公演情報 屋根裏展望台「2つの重力の間で」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    主観と客観の間で
    作・演出の岩城泰斗氏の頭の中では整理出来ていたのかもしれないが、観客からすると、描きたい叉は訴えたい内容が伝わってこない。演出手法、テンポも緩慢だった。
    着想は面白いが、それを表現しきれていない。
    自分が描きたいことを大切にする、一方で観客の目線を意識することも大切であり、バランスが重要であろう。

    舞台は、白線で12分割された四角い枠。後方は大きなデジタル掲示板という、ほぼ素舞台である。冒頭目覚まし時計を持って時刻をセットし、終演まで置いたまま…。

    ネタバレBOX

    公演時間90分が気になったのが、残念である。
    10年後に隕石が衝突し地球が消滅するという、限定状況における思考・行動を描きたかったようだが、同じ動作の繰り返し、無言状態におけるデジタル表示…。10年間を単にデジタルで年数を刻むだけである。時間の経過に伴う空気の流れ、意識・状態の変化など、表現の面白い部分が削ぎ落とされてしまった。デジタル表示による書簡のやりとりではなく、セリフの応酬が観たかった。

    ダンボール箱を積み上げては、女性が崩していく。これの繰り返しは何をイメージしているのか?
    段々と常識、非常識(線路を歩く、他人の家に上がり込み盗撮まがい)という境界が曖昧になり、狂気の様相を見せる場面があったが、深く踏み込んでいかない。
    滅亡が直ぐではなく、10年後という絶妙な設定が良かったのに…。老人なら諦め境地か、幼子を抱えた人は、独身の男・女は…どういう心境・行動をとるのだろう。

    今後の公演を期待しております。

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    2014/11/02 23:54

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