満足度★★★★★
無頼でなければ面白くない作家檀一雄をモデルにした“昭和無頼派評伝劇”とのことだが、まさにそれだった。自分を切り売りするような作品しか書けない作家の苦しみ、彼を取り巻く編集者や家族の思いと葛藤が鮮やかに描き出される。時空を超えたかのような謎の男を狂言回しのようにも使った演出も面白い。斜めに傾いた丸い居間、そこに敷き詰められた白い砂の感触が観ている私の足裏にさらさらと伝わってくる不思議。作家役、謎の狂言回し役、太宰治役の3人が強烈な印象を残す。作品も人生も、“無頼でなければ面白くない”と思わせる説得力が素晴らしい。
ネタバレBOX
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2014/10/23 22:39
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