ジャンヌ・ダルク 公演情報 TBS「ジャンヌ・ダルク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    あっぱれ初舞台
    当初観る予定はなかったのですが、家族が観たいと言うので、行って来ました。

    私としては、堀北ジャンヌの印象があまりにも鮮烈だったので、有村さんのジャンヌには、正直それほどの期待感はなかったのですが、脚本にも、演出にも、有村ジャンヌに即した工夫があり、熟練男優陣のまさに助演にも助けられて、お見事な初舞台、初主演舞台を務めていて、あっぱれの出来映えでした。何よりも、意外にも低音の響き渡る有村ジャンヌの発声に驚きました。

    傭兵役の堀部さん、尾上さんが、共に好演。

    ジャンヌ・ダルク物って、ともすると、キリスト教に精通していない日本人には、わかりにくい作品が多い中、中島さんの脚本は、万国共通、どの宗教理念の人にでも、共感しやすい切り口で、ストーリーを形成しているので、最後まで、気持ちが遊離することなく、舞台に集中することができました。

    視覚効果で、戦況を表現したり、戴冠式の重厚感を、照明一つで、表出したり、スタッフ技術の賜物の、舞台芸術を堪能させて頂きました。

    ネタバレBOX

    オルレアン解放の時の、戦闘場面において、イングランド軍と、フランス軍の戦況が、舞台上で駆け回る軍隊の服の色で、視覚的に、観客に理解させる手腕に感服しました。まるで、運動会の玉入れのよう。だんだんに、フランスのグレイの軍服が、舞台上で増殖して行く様は圧巻で、息を呑む感動がありました。

    神の啓示とか、裁判の時の、それぞれの宗教的な思惑とか、キリスト教に詳しくない観客は、取り残されることの多いジャンヌ・ダルクの物語を、中島さんの脚本は、シャルルとジャンヌが、異父兄弟だったという視点で、再構築し、物語の核にしたことで、日本人にも、受け入れやすい、筋立てになっていました。

    演出と、脚本構成力に力を借りて、有村さんの初舞台が、見事に花を咲かせた公演だと思います。

    0

    2014/10/14 09:18

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大