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アンドロイド版『変身』
観てきた!クチコミ一覧
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公演情報
青年団「
アンドロイド版『変身』
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(533)
満足度
★★★★
ネタばれ
ネタばれ
ネタバレBOX
平田オリザの【変身・アンドロイド版】を観劇。
原作はフランツ・カフカの【変身】で、ある朝、男が目覚めると虫になっていたという話だが、平田版では、2040年のある朝、男が目覚めるとロボットになっていたという設定だ。
出演はイレーヌ・ジャコブ他、全員フランス人俳優で固められている。
今作は実存主義に則って描かれており、その当時の主義がこれからの近未来において、ロボットとの実存とは?から発して、人間とロボットの共存について論議している芝居だ。
ただ芝居自体は決して堅苦しい作品ではなく、ある朝息子がロボットになってしまい、それにあたふたする家族の顛末が描かれている。
息子の外見はロボットになってはいるが、あくまでも外見だけで、記憶や心は息子のままなので、家族は意外とすんなり受け入れるという事が出来る。その家族の行動を見ていると、当然観客は己の身になりながら観るのだが、これから必ず起こりうる人間とロボットの共存という出来事は、実はそんなに頭を抱える問題ではなく、実存主義を通して考えていくと意外に答えは簡単である様な気がする。
それは己の感情を優先にしてこそ実存主義が存在しており、それによって他者などの存在を認める事が出来るとカフカが変身で言っているようであり、平田オリザが時代を超えて同じ様な説を唱えているようであった。
野田秀樹がイギリス人と芝居を作っている間に、平田オリザはフランス人と演劇を作っていたとは驚きだ。
平田オリザの提唱する現代口語演劇は、現代演劇をつまらなくしている張本人だとずっと思っていたが、平田オリザの芝居は野田秀樹同様、どれもが問題作でありながら、興味を掻き立てられる刺激的な演劇である事は間違いない。
傑作である。
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2014/10/13 10:30
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