アンドロイド版『変身』 公演情報 青年団「アンドロイド版『変身』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    人間とは何か
    様々なことを考えさせられました。

    ネタバレBOX

    地中海辺りでの戦争が長く続き、不況も蔓延している今から25年ぐらい未来のフランスで、朝目覚めたらアンドロイドになっていたという「変身」の話。

    日常と非日常、アンドロイドを長男として受け入れた家族としては、戦争という非日常がじわりじわりと身辺に迫って来ることになり、また戦争かと思いましたが、人間とは何か、戦争はなくならないのか、移民と国民の関係、働き手としての移民とロボットの有用性等々、幅広い問題について考えさせられることになり、充実した時間が過ごせました。

    今回のロボットは、顔と両手だけがシリコン状の物質で覆われたスケルトン型のアンドロイド「リプリーS1」で、上半身の関節が動き、顔の部分ではまぶた辺りの筋肉や目や口が動きました。遠目だったことや、台詞による誘導もあり、表情の変化が心の変化のように概ね感じられもしました。

    身体があれば人間かというとそうでもなく、心があれば人間かというとそうでもなく、身体と心があれば人間かというとそうでもないという台詞は考えさせられました。

    戦争をロボットがやっている限り戦争は終わらず、人間が死ぬことで戦争が終わるかというと必ずしもそうではなく、戦争を始めた人間に戦争による死が迫ったときに初めて戦争終結が意識されるという話も印象的でした。

    最後、アンドロイドが電源コードを抜いてくれと頼むシーンがありましたが、そこは自分では手が届かない背中のスイッチなどにしてほしかったと思いました。変身したとき、じゃあ誰が電源コードをコンセントに差し込んだんだということになります。半永久的蓄電池装備でいいと思います。

    それと、電源を切ることが必ずしも死を意味するものでもありません。ホーキング博士の言うように、アンドロイドのコンピュータが壊れた上で電源が落とされなければ死とは呼べません。

    ところで、下宿人は何系のフランス人だったのか、母親と妹がシーツをめくったときの驚きは何を見ての驚きだったのか気になりました。

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    2014/10/10 10:41

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