満足度★★★★★
『わが闇』のような感動を求めた方は火傷を負うかも!?/約145分
タイトルがタイトルだし、まさかそんな方はいないと思うが、『わが闇』のような作品を期待して観ると痛い目に遭う、悪ふざけとデタラメに満ちあふれた相当に純度の高いナンセンス演劇。
タイトルからこのような作品を予期し、このような作品こそが観たかった私としては、大いに、大いに満足!
ケラ曰く、執筆中も稽古中もとにかく楽しかったそうだが、それもそのはず、考えてみれば、ケラリーノ・サンドロヴィッチという人はもともと「悪ふざけ」と「デタラメ」がやりたくて演劇を始めた人だ。
しかし、この人にしか書けない作品と言う意味では、とても価値ある一作。だって、『わが闇』から笑いを抜いたような劇が書ける作家は他にいても、ここまでナンセンスに徹したものを書ける作家はケラリーノ・サンドロヴィッチくらいしかいないのだから。
一応、ホラー要素やミステリー要素も入ってはいる。しかし、それすらもナンセンスによって支配され、ナンセンスの中に呑み込まれている感じ。
つまり、色んな要素はありながらも、ピラミッドの頂点には厳としてナンセンスが君臨しているのだ。
題名がこれなので、一応はオフィスもの。
舞台となる会社の業務内容が明かされるシーンでは、その仕事内容のあまりのぶっ飛びぶりに、まるでタガが外れたかの如くゲラゲラ、ウヒャウヒャと笑い崩れてしまった。。。
満足!!