人間機械より夜空へ 公演情報 劇団晴天「人間機械より夜空へ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ハラドキ
    序盤、ハラハラドキドキであった。内容がいいからではない。悪過ぎたからである。非礼を覚悟でとも考えそうになった。幸い、それは杞憂に終わったが。これは、キャスティングと演出、そして、月子を演じた女優の演技が、この中では光っていたから持ちこたえ得た、ということである。

    ネタバレBOX

     
     中盤以降は、ギターの練習も碌にしていないことがミエミエの生演奏が無くなったり、表現が徐々に上達してゆくシナリオの内容と演技がマッチした演出・演技になった為、全体としてのバランスが取れてきた。中盤から舞台が締まった原因としては、オーでぅションに合格した太陽が、撮影に入る場面等が演じられ、このシーンで、現場の雰囲気や役者が担わされる過酷な状況が描かれたり、演技力dえは明らかに上の月子では無く、太陽が、ヒロインに選ばれるシーンが挿入されることで、チャンスは結構、非合理的なのだという現実の在り様が表現されるので、ある程度リアリティーが確保される。その後の展開でも寂しさから浮気に走った月子が人間では無くロボットであり、彼女が主張していたのとは逆に、太陽はロボットでは無く人間であり、それが事実であると確認してしまった月子が、その事実を意識することによって自壊を望むに至ったアンチノミーを理解しなければならない。即ち、お姉ちゃんとして生きて来た月子が自らをロボットと認識すれば、人間の姉として自らに課して来た総てのデューティーは雲散霧消して意味がないどころか、強烈なアイロニーとして彼女の思考回路を攻撃せざるを得ず、その事実に反する人間として自らを措定するならば、ロボットの必要とする充電はできない。こうして月子はアンチノミーの縊路に囚われた。当然のことながら、彼女は死ななければならない。この悲劇的展開が終盤を一気に引き締め、ポテンシャルを高めた。
     まあ、作りとしてはこのようになっているのだが、役者が、ホントに力があって意識的に上記の作業をこなしているわけではないと観た。ただ、様々な要素が偶然に作用して結果的にこうなったと観たわけである。若い役者ばかりの劇団のようだ。今後ともしっかり鍛錬を積んで欲しい。

    0

    2014/09/23 12:19

    0

    2

このページのQRコードです。

拡大