満足度★★★★
圧巻の身体表現と神秘的な音楽の世界・・・ ですが、ちょっとディスコミュニケーション
圧巻の身体表現と神秘的な音楽の世界でした。それだけは確実に言えることだし、それだけでも充分満足はしています。
しかし、「ことばのはじまり」という謎掛けめいたテーマと対峙すると、易々と消化できるものではありませんでした。ことばがなくとも、感情は伝わりますが、やはり意味するところまではなかなか分かりませんね。分かったつもりになっても、所詮はいずれも想像の域をでず、それを確信させる情報も読み取れない。
言葉は発する方だけの意思だけで成り立つわけではなく、受け手との共通認識の形成を経て成立するものと思いますが、今回、その受け手としての素養が自分にあったのかと言うとハテナです。あるいは正しく伝わらないディスコミュニケーションすら題材だったのかもしれませんが。
子どももターゲットにしているあたり、「考える前に感じろ」的な趣旨かもしれませんが、それだと「ことばのはじまり」ってタイトルにそぐわない気がするんですよね・・・ 個々の意味に拘るのではなく、マクロ的に捉えなきゃならないのかもしれませんが。
ふらふら思考が揺れてますが、そうやっていろいろ思考を巡らさせてくれるあたり、楽しい時間だったと思います。
webで本作に関する役者さんたちや関係者の発言を読むと、むしろ、メイキングでの役者さんとディディエ・ガラス氏のコミュニケーションの方が、「ことばのはじまり」なのかもしれないです。メイキング・ムービーが観たいですね。