満足度★★★
日本での上演の難しさを痛感
興味深い内容、興味深い出演者、スタッフに惹かれて、楽しみにしていた公演でしたが、如何せん、歴史教育を題材にした作品故、自国での上演なら、観客の共通認識があって、当然説明不要の部分が、日本人には、一般的に理解困難な台詞や設定があって、充分理解するには、骨が折れる舞台だと感じました。
また、生徒役のキャストも、見分けがつかないメンバーが若干いたことや、役名と人物認識に時間が掛かったことも、作品世界に同化するのには、悪条件だったように思います。
とは言え、斬新な演出、琴線に触れる台詞、松坂さん、太賀さん、中村さん等、若手キャストの好演もあって、退屈に感じる瞬間は、微塵もありませんでした。
これが、他の教科の話だったら、もう少し、万国共通の教育問題演劇作品として、多くの観客に受け入れられやすい作品になったのかもしれませんが、でも歴史教育をテーマにしているからこその、作品の深さも感じるので、評価は難しいところですね。
イギリスの歴史に精通している方になら、自信を持って、おススメできる佳作舞台だと思います。