満足度★★★★★
双方とも正しい…それ故に…
山口峰範さんも出演されるという事でteam angelさんを観に行く。
奇跡体験アンビリバボーが好きな事もあり、まさにアンビリバボーでやっていそうな内容という印象で、観劇中もテロップとかナレーションが入ってきそうな雰囲気。
死刑囚が主人公という事で、ハッピーエンドにはならず、悲劇的な終わり方になるだろうと思っていましたが、
悲劇が好きではない自分でも所々に入る笑いの部分で楽しみながらも考えさせられる舞台でした。
類い稀なる善人に生まれ変わった主人公天田。
その行動に惹かれていく医療刑務所の面々。
こんな善人を治療が終わったら死刑台へ送らなければならないという状況で、天田の為にうごく医療刑務所の面々。
一方、凶悪犯を裁くという己の使命を全うしようと動く司法局の面々。
いくら今は記憶がないとしても、過去に行った犯罪に対する法の裁きは実行しなければならない。
双方とも正しい。
人間性から観る視点と、法や秩序といった面で観る視点で意見が分かれそう。
それぞれの視点で異なる感じ方をすると思う。
それ故に複雑な心境となった。
クライマックスはどうなったかをみせないまま終了となり、ここでもどちらの視点で見ていたかによって終わり方も変わってくると思う。
個人的には善人のまま過去の贖罪に死刑を受け入れたと思いたい…
正解を明示してくれていた方がすっきりしたかも知れないかなぁ…
ちなみに、天田の行動ではっとこれはみんなの為に嘘を…?と感じた瞬間涙しました。
セットは病室内というシンプルなものだったけれども、セット中央の柱が十字架に見えたり、窓からのライトがまるで夕日のようになって役者さんのシルエットを下手の壁に映し出すという綺麗なセットでした。