満足度★★★★★
覚悟と信頼と
作品は90分とまずまずの長さだったが、それを感じさせないテンポの良さと明瞭なストーリーで、集中を切らさずに見ることができた。
不条理ということで、少し抵抗がある人は多いかもしれない。私自身も不条理は苦手だが、不条理=暗い・重い という印象ではなく、爽快な喜劇的に進み結果、問いかけとして終わる不条理だったので清々しかった。
役者達はパワフルとはまた違うが、根性のある方々が揃っていたので、見応えがあった。魅力的に見えたのは役者個々の力も勿論だが、演出プランや戯曲の世界観を上手く染み込ませられていたからなのだなと感じ、演出家のキャストと作品への愛情を感じることができた。
どうやら初舞台の役者も居たようだったが、そのような不安感は無かった。
ただ、もう少し「締まる」ところがあってもよかったのかもしれないと感じた。それは戯曲というよりはカンパニーの空気感だと思う。
旗揚げなので、それはこれから作り上げていければいいと思う。
キャストと演出家が信頼して、覚悟をもって舞台に立っていると感じる芝居で、創作に対しての活力をいただける作品だった。