満足度★★★★
戦争が他人事ではない時代の青春模様/約60分
「他人の見ているものが見たい」
「他人に見えているものと自分に見えているものは違うんじゃないか?」
こうしたテーマの掘り下げは正直、あまり上手くいってなかったと思う。
ただ、人間ピタゴラスイッチ的な試みは面白いし、今より戦禍が広がった近未来世界の日本が舞台の若者群像劇としてとてもよく出来ている。
戦争が身近になったがゆえの焦燥、不安、やるせなさ、そして、死を意識するがゆえの生への愛しさが照明なども上手に使って巧みに表現されていて、知らず知らず見入ってしまった。
どちらかと言えば焦燥や不安よりも生への愛しさに重点が置かれ、全体にそこはかとなく前向きな感じがするのが何よりいい。