満足度★★★★★
私は人間だ…
「熱狂」「あの記憶の記録」とともにナチス関連作品三部作をなすという本作品は、
逮捕の後ポーランド政府に引き渡されたアウシュビッツ強制収容所の初代所長
ルドルフ・フェルナント・へースが絞首刑に処せられるまでの日々を描いている。
へースを演じる浅井伸治さんの台詞が素晴らしい。
淡々としていながら、ただ真面目に“仕事”をして来た平凡な男がそこに居て
この世に悪魔などいない、“悪魔の所業”は全て人によるものであるという
明確なメッセージを全身から発信している。
過ちを繰り返す愚かな人間全てに向けたメッセージである。
緊張感あふれる“間”が素晴らしい。