妥協点P 公演情報 劇団うりんこ「妥協点P」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    生徒指導
    面白い。65分。

    ネタバレBOX

    山懸(牧野和彦)…宮武の台本の教師と生徒の恋愛が不適切との主張を繰り返す。
    熊楠(宮田智康)…鼻に特徴のある教え子と結婚した。
    宮武(藤本伸江)…台本執筆した生徒。語らず台本で主張する表現者の鑑。
    三好(山中真理子)…山懸の同調するが、台本の修正で不眠症っぽくなる。
    結城(朝比奈緑)…図書室司書教諭。山懸の行為に検閲だと迫る。

    文化祭まで一ヶ月。宮武の台本が「不適切」だとして修正を「お願い」する山懸だったが、修正された台本が更に「不適切」なものになっていて、苦悩する山懸と三好。残り1週間でまだ良くならない台本に、階段から落ちる山懸。残り3日となって、宮武の台本を尊重する方向に動く山懸だったが、宮武はそうじゃないとつき放す…。

    学校という小さな(模擬)世界における権力による表現抑圧。それに対抗する表現者という構図。堅苦しいテーマをかなり砕いて提示してくれる作品。権力(山懸)が、理屈の伴わない狂気っぽいおバカな描かれ方をされているのはご愛嬌か。対してじっと座ってほとんど言葉を発しない表現者(宮武)の芯のある雰囲気が印象的。
    中盤で、山懸が廊下から落ちて死んで、先生は命を懸けて意見を通すことの大切さを教えてくれたと「創作」してみせる宮武が、なんとも皮肉たっぷりで愉快。
    終盤でも、主張を譲ってきた山懸に、とことんやり合いましょう的に振舞う宮武が「文化祭っぽいでしょ」と言い切るとこがニヤっとしちゃう。妥協点ってタイトルのとおり、対立する物事が妥協点を探るには時間と対話が必要で、それがないといいとこに落ちないよということか。妥協って言葉にピリっとした質感を感じた一作だった。

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    2014/08/30 22:30

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