満足度★★★★
予習して臨むことを推奨
もちろん評伝的な部分もありつつ、現代演劇論を演劇を以て語る部分がスリリングで面白い。
しかもそれが実在した人物によって語られるワケで、観ているうちにどこまで虚構でどこまで現実なのか区別がつかなくなりドグラマグラ状態に…
さらにその演劇論が今の小劇場ムーブメントに繋がるようでもあり、観ていてもう頬が弛んでしまう。
一方、愛人と妻をめぐる面では至ってフツーのオトコで「本当に男ってヤツはしょうがないな…」と。(笑)
上手に自宅、下手に教授室を配置したシンプルかつシックな装置で交互に見せるスピーディーな展開(松枝さんによれば右脳と左脳を意識したとの由)の本編部分を、「クラウン」がガイドを務めるプロローグとエピローグ(と本編の一部)によって締める構造もスッキリして好み。
なお、本編に入った時にPARCO劇場の舞台のような印象を受けたのは予習で西武劇場のことを知っていたからか?
他にもウィキペディアでの予習によりはたと膝を打った部分があったので、これからご覧になる方々には予習することを強く推奨いたいます。