ヒューマンエラー 公演情報 青年団若手自主企画田上企画「ヒューマンエラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    虚と実の妙
    演劇ならではの魅力がいっぱい詰まっていました。素晴らしかったです。

    ネタバレBOX

    床職人や壁紙職人等が作業をしている中で、購入者による内覧会が随時行なわれているような状態の新築マンションの302号室が舞台。リビングでウンコが発見され、脱糞者は誰だ、理由は何だという話。

    リビングのウンコは異様に大きくとぐろを巻いていたので、まさかそのようなデフォルメされた表現物と、ウンコとオシッコは同時に出るのか、制御できるのかという医学的、科学的真実が犯人探しに巧妙に絡みつくとは思ってもみませんでした。演劇の特徴が活かされていました。

    まるで二次元と三次元の世界が融合したような、頭でっかちのコミカルなアニメと実写版が融合したような、どこか落ち着かない居心地の悪さは初めての体験で実に素晴らしかったです。

    日常と非日常の描き方についてですが、例えば普段の研究室に狐の面が出てきたら確かに非日常ですが、んなわけあるかで終わってしまいます。本作品のデフォルメされたウンコは非日常ですが、泌尿器科的法則と同時に存在しているため、日常と非日常を同時に成立させたこの手法は、日常の中に非日常が入り込む旧来の手法を超越したのではないかとさえ思わせます。

    引越しを嫌がった購入者の子供ほまれの友人というか恋人のみわがバイク事故で亡くなった妄想の存在だったこと、そして、ほまれ自身も男の子ではなく女の子だったというサイコじみた展開になりましたが、これもまた演劇故に成立するといった感じでした。

    拍手を使ったリズミカルな3K職人たちによるパフォーマンスも素敵。ゼネコンの現場監督役とみわちゃん役の村井まどかさんは元気があって、キリッとして利発そうで、まるで赤江珠緒さんのような爽やか女子でした。

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    2014/08/25 15:46

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