満足度★★
正直、期待外れ・・・
ベテランミュージシャン集めたサウンドはさすが。
透明感と猥雑さとが同時にびりびり来るような奇妙な感じ、大好き。
・・・ただそんな感じで音楽は楽しめたんだけども、それ以外の要素が宙に浮きすぎに感じられ、うーん。
舞台上で広がる世界が音楽の渾然一体になって刺さってくるような、そんな「持ってかれる」感覚は、イマイチ、感じられず、「なんだったんだろう、これ」感が。
三宅純の曲から発想を広げて試行錯誤、っつー作り方的に仕方ないのかもしれないけど、舞台上でグルーヴしてるのは音楽だけで、あとのダンスや芝居は演者一人ひとりがてんで別の方向に向かって走っちゃってるような、足し算だけで掛け算がないような、そんな印象が。
特に残念だったのは、役者陣の芝居にそれぞれ「腑に落ちてなさ」みたいなのを感じちゃったことかなあ。
煮詰める時間が足りなかったのか、芝居のトーンもみんなバラッバラで、観ていて意識をどこにチューニングしていいかわかんなかったし。
せっかくの谷賢一さんの台詞も、咀嚼が甘いまま発せられちゃってたような感がアリ。
白井さんが終始脚を引き摺ってたのも、故障なのか演出なのかはっきりせずモヤモヤ。
森山開次さん、ポリグラフのときはもっとセリフ劇できる人に見えたんだけどなあ・・・。
全体的に芝居パートも演劇パートも、あれでしっかり時間をかけて演じこんで、音楽の強度に敵うだけの確固たるグルーヴを持った有機的な「塊」に出来ていたらなあ、と思わずには。