満足度★★★★
薄味の軽やかな物語に濃い出演陣
近頃、映画ばかりだったので、久しぶりの小劇場観劇だった。
物語的には大分薄味で、短編作品を長編に仕立てた感じだったが、これでもかとちりばめられたネタの数々に、濃い出演陣のパワーでセンス良くまとめられていた。主演の松村マチコさんは秀逸。これほど芸達者な女優さんも稀だろう。何処か知的でエレガントな雰囲気に、破壊力のある飛び道具的なボケ。とにかく高級玩具の缶詰のような美女だった。大下源一郎さんは、透明感漂うナチュラルな存在感と、しっかりと想いを感じさせてくれる言葉に思わず目がいってしまう。私がファンである佐藤伸之氏は、出演陣の中で異色な存在感を放っていた。こうしたコメディもこなす演技力の幅の広さに驚いた。これまでみたどの役とも異なり、氏の技術力の高さと、中年男性らしからぬエレガントな愛嬌に思わずにやけた。他にも芸達者な出演者が織りなすひと時はそれなりに満足した。欲を言えば、あと500円は安いと良いのに思った。