満足度★★★★
うつくしく、力強い舞台
感動系の舞台ではあるだろうが、実に現代的な「強い女」の舞台。
観客は現代人、しかし登場人物の青春は輝かしい昭和にあった、そういうときに実にうまく使える手法で観客を舞台にいざなう。観客を舞台にひきこむのが毎度うまい。
異性への想いだけで強く生きられる人間というのは少ないだろう。けれどもそれを否定しない、おしつけない台詞がとても好きだ。「(そんな生き方自分にはできない、という若者に向かって)そりゃそうよ。それはわたしの生き方なんですから。」若き自分に投げかける台詞「顔をあげて。強く生きるのよ。あなたは、わたしなんだから。」(※台本を購入していませんので、間違っていると思いますごめんなさい) この強さを客席で観て、勇気をもらう。そんなことができるのもまた、演劇の魅力だと思う。
さすがゲキバカ、大人数のダンスシーンはかなりの迫力。ぐるんぐるん回られるわ、タップだわでセクシーな衣装よりダンスそのものに魅了される魅惑的な数分間。殺陣のBGMがタップだった場面は見所の一つ、素晴らしかった。
恋愛が恋愛らしくないとは感じたが、そういう時代だったといえばある程度納得できるのではないかと思う。台詞の一部に違和感ある敬語があったりもしたが、個人的にはご愛嬌、で済ませられる程度だった。