満足度★★★★
英国コメディ風のブラックな会話劇。でも結構ドタバタ要素も。。。/約110分
あの有名なネッシー写真に関わったことにより自身も数奇な運命をたどり、家族や親族、友達にまで因果な人生を歩ませたある男の物語。
…なんて書くと同情すべき不憫な男に思えるが、今は入院中のこの男ハロルド・グレイはひっきりなしに病室を訪ねてくる近しい人々に憎まれ口を叩いてばかりの偏屈者。
速射砲のように罵言を繰り出すこのハロルドとその周囲の人々がテンポよく互いをなじり合って紡ぎ上げていく物語はロンドンを舞台としているだけあって辛辣な英国コメディさながらで、アメリカンコメディよりブリティッシュコメディのほうがずっと好きな私にはとても楽しめた。
口は悪いがどこか憎めない、まるでルパン三世みたいなハロルドのキャラクターにも好感。
そのルパンよろしき軽やかさを持つ大家仁志さんにこの役は当たり役に思えました。
そして、大家さん演じるグレイのセリフの練られていること!
セリフの一つ一つが『世界のブラックジョーク集』みたいな本から引用されているかの如き完成度で、とても面白かったです。