満足度★★★
夏らしいブラックユーモア
WHATCOLORの第10回記念公演の総合演出を担当してくれた、ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)さんが、神保町花月で脚本・演出を担当すると聞いて足を運んだ。
ブラジリィー・アン・山田さんが神保町花月の芝居に関わるのはこれで2度目。前回は、演出だけだったのだが、今回は脚本も担当するという事もあり、とても楽しみに劇場に足を運んだ。
ブラジリィー・アン・山田さんらしい、ブラックな物語になっていた。
平和そうに見える家族の裏に潜む様々な感情を、ストーリー展開の中で丁寧に織り上げて行く構成は見事で、単なるお笑い芝居にとどまらない、とても良い作品になっていた。
ブラックユーモアという世界観が、この劇場のお客様に受け入れられるのかという事も含め、アン山田氏の果敢に責める心意気が伝わってきた。
実際お客様は見事に物語に引き込まれていたように思うし、その中で良く笑っていた。
驚いたのは、このシュールな脚本の中で、芸人さん達が役を演じながら、ちゃんと自分達らしい笑いをとろうとしていたこと。その芸人根性に感動した。
しかし本当におもしろい脚本だった。
これを私の周りの俳優達でやったら、それはそれでずいぶんおもしろくなりそうだなと思い、勝手なキャスティングを妄想して楽しませて頂いた(笑)。
今回は、ブラジリィー・アン・山田氏の底力を感じた作品だった。
山田さん、うちの作品もヨロシクです。