うーん…
楽回を観劇しました。
ちょっとがっかり…というのが率直な感想です。
役者さんひとりひとりが楽しんでいるのは伝わってきましたが、
舞台上でみえたのは「役者」自身であり、「役」は全く見えませんでした。
役作りができていない証拠だと思います。
役者自身がそうしたのか、演出によるものなのかはわかりませんが、
早口で喋るシーンが多々ありました。何を言っているのか全くわからず観ている、聞いている観客としては大変なストレスを感じました。
観客を巻き込んでのパフォーマンスも全く意図がわかりませんでした。
役者が観客にアプローチを仕掛ける度に、「芝居」という世界観や「役」が壊れ、役者自身しか観れなくなってしまいました。
芝居を観ているというよりコントを観ているような感覚でした。
観客を楽しませているのは芝居や役、演技ではなくて役者自身でした。
自分自身の名前を売ろうと必死になりすぎて、本来力を注ぐべき芝居が台無しになっていたとしか思えません。
ただ、前回も出演されていた秋山ひらめさんという女優さんの演技はとても印象的でした。今回の公演で唯一、役作りがきちんと成されていたような気がします。
母親らしさというか、主人公との関係性や、主人公を出産してからのプロセスがしっかり見え、息子を思う温かな気持ち、役作りにどれだけの時間を費やしたのかが伝わってきました。
役者の本来あるべき姿だと思いました。